8月9日、朝日新聞朝刊1面に「原発事故、全員が不起訴へ 東電前
会長や菅元首相ら」という記事が掲載されました。

■朝日新聞:原発事故、全員が不起訴へ 東電前会長や菅元首相ら

http://www.asahi.com/national/update/0809/TKY201308080461.html

内容は、検察当局は、福島原発事故の責任者として告訴・告発されている
東電幹部や菅元総理等を不起訴処分にする方向で調整しているというものです。

これに対して、福島原発告訴団は以下の声明文を発表しました。

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   何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない

         河合 弘之(弁護士・福島原発告訴団弁護団代表)

去る8月9日本紙朝刊に、月内にも福島原発事故について、我々が行っていた
告訴・
告発について不起訴処分がなされる方向で検察庁が調整に入っていると
いう報道がなさ
れた。記事において不起訴理由とされている点を取り上げ、
告訴人らの考えを述べ、検
察官・検察庁の再考を強く求めたい。

本紙報道によると不起訴の理由は、「事故と災害関連死との因果関係はないと
は言い
切れない。今回のM9規模の大地震と津波は、専門家の間で予測されて
いたと言えず、
事前に想定できたのはM8.3までだった。巨大津波の発生と
対策の必要性を明確に指
摘していた専門家も少なかった。東電が2008年に
津波高さ15.7メートルと試算
していた点についても、専門家の間で賛否が
分かれ、東電も『実際には起きないだろう
』と受け止め、対策を検討したもの
の、具体化は見送った。東電の津波対策は十分では
なかったものの、刑事責任
を問うことは困難。」とされている。


検察官の立脚する予見可能性の議論には次の疑問がある。15.7メートルの
津波は
東電内部の検討において確かに試算されていた。この原発の想定津波
高はわずか6メー
トルであった。この地域でマグニチュード8.3程度の地
震と高さ10メートル程度の
津波が来ることは、地震と津波の専門家なら、
だれもが頷く普通の想定であった。


電源喪失を防止するための対策としては、防潮堤の設置だけでなく、外部電
源の耐震
性強化、非常用ディーゼル発電機とバッテリーの分散と高所設置等、
構内電源設備の耐
震性,耐津波性の強化など多様な措置がありえた。


浜岡原発においては、老朽化した1,2号機は耐震補強を断念し、2008年
には廃
炉の決定がなされていた。福島第1原発1−3号機についても、同様の
措置は十分あり
得た。にもかかわらず、東京電力は一切何の対策もとらなかっ
た。予測されたレベルの
地震と津波対策を講じたにもかかわらず、それが不十
分であったわけではない。東京電
力自身が、原子力改革特別タスクフォースの
報告において、結果を回避できた可能性を
認めているのだ。


事故以前の東京電力社内のすべての証拠を収集し、どのような検討がなされて
いたの
かを解明するには、強制捜査による関係資料の押収が欠かせない。この
ことは、捜査機
関として当然の責務だ。検察庁は、テレビ会議録画や社内メー
ルなどの任意提出を受け
ただけで、今日まで強制捜査を実施していない。多く
の市民の生命と生活、生業を根こ
そぎ奪ったこの事故について、強制捜査もし
ないで捜査を終結するような事態は絶対に
あってはならない。検察内部の良心
が検察庁を揺り動かし、強制捜査の実施と起訴が実
現することを心から願って
やまない。

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